滋賀県に調査旅行で来ています。
昨夜までの猛暑が嘘のように、朝から雨が降ったり、雷が鳴ったりという天気だったのだが、夕刻になり、月が空を一掃してしまったような夜になった。
石山寺で「秋月祭」と称する月を愛でる催事があるというので、でかけてみた。
国宝の多宝塔に隣接する「月見亭」からの眺め。
函館の夜景と一緒にこの名月を愛でている人もいるだろうが、こちらも絶景。

月見亭には、いけ花とお団子が供えられ、紫式部が眺めている、という演出になっている。
芭蕉庵では、ろうそくの光だけをたよりにお茶の会が開かれていた。
風情があるなぁと思って、一服頂戴した。

昨日、銀閣寺の同仁斎を見てきた。
人工光ではなくて、障子から差し込む光で書画を楽しむ、という仕組みについて考えていた。
この小さな小さな部屋は、四畳半+床の間組み合わせ、というような現在の典型的日本家屋の原型になっている。
だから、座って(当時は正座ではない)、眺めてみると実はあまり感動しない。
なんだか当たり前すぎて、懐かしささえ感じてしまうのだ。
「今年は暑かったけど、やっぱりオハギを食べて、お墓参りをすると、必ず秋はやってくるね」というおばさん達の話を聞きながら、京阪に乗って帰途についた。
肌寒い。もう、秋である。